ちょっと役立つ熱処理の知識
第7回 硬さって何だろう
鋼は焼き入れをすると硬くなるというお話をしました。では、そこで言う硬さってどんなものでしょうか。実はこれが、なかなかに厄介なのです。どんな基準をもって「硬い」と言うのかによって、試験の仕方も、数値の単位もまるで違ってしまうからです。
たぶん皆さんも子供のころ、「この世の中で一番硬いのはダイヤモンドだ」と教えられたと思います。確かに、色々な工業技術でも、硬い素材を切るのにはダイヤモンドの刃をつけたカッターやソーが使われていますね。
このダイヤモンドをつけたハンマーをえいやっと落として、跳ね上がり具合で判定するのがショア硬度。四角錐の先端を押し込んだ時のくぼみの大きさで判定するのがビッカース硬度、円錐の先端を押し込んだ時の侵入の深さで判定するのがロックウェル硬度。もっと手近な方法として、ヤスリで削って硬さを判定するという現場的なやり方もあります。
どれが良いということは言えません。「硬さ」とは何を言うのか、物理的な定義がいろいろなのですから、判定の仕方が違ってくるのは仕方がないことなのです。
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