鉄の色づく温度は600℃と言われます。ほんのりと赤みがさしてくる状態です。ここからさらに赤みが増して、タバコの先端と同じような色合いになるあたりが「変態点」(A1)。それから温度を下げて、赤みがなくなる温度(550℃前後)までを臨界区域と呼んでいます。この臨界区域を速く冷やすと「硬く」なり、遅く冷やすと「軟らかく」なるのです。さらにその下の温度を常温になるまで冷やして行くのにも、早くしたり、ゆっくりさせたりという工夫があります。そんなノウハウを組みあわせることによって、良い熱処理が実現され、希望通りの性質を持った鉄(鋼)が誕生するというわけです。
昔の刀工や鍛冶屋さんは、経験とカンだけを頼りにこれをこなしていました。現在では、材料や目的による微妙な違いを科学的に管理しています。装置のコントロールによって、適切な温度、適切な時間を設定。品質の高い製品が安定的に処理できるようになっているというわけです。
それにしても、熱処理というのは、まさに温度の芸術ですね。
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2014/10/22