ちょっと役立つ熱処理の知識
第10回 表面だけ硬く
熱処理とは、鋼の性質が変る「変態点」を利用し、「熱くして、冷やす」ことで望み通りの性質に変えていく技術だとお話しました。
この技術を、製品の表面層に特に的を絞って行うのが表面熱処理です。
製品の用途目的によって、表面だけを硬くしたり、強くしたり、摩擦を減らしたりといったさまざまな特性を持たせていきます。
表面を硬化させる表面熱処理には、表面に他の元素を浸み込ませて化学的に変化させる化学的表面硬化法、表面層だけを焼き入れして硬くする物理的表面硬化法があります。
化学的表面硬化法の代表選手は、浸炭と窒化です。浸炭焼入れは、炭素を浸み込ませた上で、焼入れを行うことにより、表面部分に硬いマルテンサイト層をつくる方法です。窒化は、鋼の表面に窒素(N)を浸み込ませ、硬い窒化鉄の層をつくる方法です。
こうした化学的表面硬化法では、硬くなるだけでなく、耐摩耗性や耐疲労性も格段によくなります。このため自動車や工作機械の機構部品などといった、硬さ、強さ、滑らかさが求められる製品によく使われているのです。
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