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金属の話し
番号

ちょっと役立つ熱処理の知識


第11回 電気が鋼を変える


写真 鋼を熱するというと、普通私たちの頭には、炎で真っ赤に焼かれる姿がイメージされるものですね。ところが実際はそういうわけでもないのです。例えば、高周波焼き入れ。
 高周波誘導電流により、金属の表面層を加熱する技術です。つまり電気ですね。焼入れする製品を、インダクタ(誘導子)によって急速に加熱します。
 ここで面白いのは、電流の周波数によって焼入れする表面の深さが変るのです。例えば60kHzだと、焼き入れの深さは1ミリ。周波数が高くなるほど、加熱できる深さは、逆に浅くなっていきます。
 ということは、つまり周波数をきちんと設定すれば、思い通りの深さまで、製品の表面層を焼入れすることができるのですね。
 高周波焼き入れでは、電流によって急速に加熱した製品に冷却液を噴射して急冷することで焼き入れを完成させます。目的とする部分だけを、ねらい通りに硬化させることができますので、自動車部品や機械部品に多く用いられています。


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